音が作る場の力をじりじり感じはじめ
音が壊す場の雰囲気もひりひり感じはじめている
何が聞こえてくるかで
同じものを見ても違うように見える
五感(とそれ以外の感覚も含め)はレーダーチャートのようになっていて
同じものが目から入ってきていても
耳から入ってくるものが違えば
チャートの図形は変わる
歪むこともあれば調和することもある
同じものを食べても
食器が違うと味が変わるように
互いの器官が影響しあって事象を作っていることはもっと追求していきたい
2020年10月の展示会に向けて
「より没入してイミゴンゴ体験ができる視覚以外のもの」を探していました
たまたまとあるインスタグラムライブで最近ご縁をいただいたJun Iijimaさん
音楽(とそれにまつわること)を大学で教えていたり
アンビエント音楽の研究をされていたり
見たことない楽器(洋琴)の奏者だったり
極め付けは地元が近かったりと
絡まり合う接点に何かピンときて
無理を言って展示会用の曲を作れないかお願いしてみました
ここからが、もう、ほんとに
ものすごく面白い経験の連続
音楽はズブの素人の私が放つ
掴み所のないフワッとしたことばを
明確な音にして返してくれる
自分が言ったことが音になって返ってくる不思議な呼応
チューブで、とか
大地が、とか
スカスカな感じで、とか
海のブイ、とか
曖昧模糊とした私の語彙をはいよはいよと拾ってくださり
挙句変な図を書いて送っても
全部その通りの音になって戻ってきた
ことばが形を纏って戻ってくる
不思議で強烈で病み付きになる一連のやりとり
イミゴンゴの展示会会場にはこの音楽が満ちています
毎日の忙しさや、あちこちからやってくる連絡、やらなければならないこと
取りに行っているわけでもないのに流れ込んでくる情報
頭のCPUをちゃっかり占有している積年の課題
あれやこれやに飲み込まれながら日々を過ごすことに
ごく慣れてしまっている我々ですが
壁に開いた針穴に
するりと自分だけが吸い込まれる
そういう没入を作ってみたい
繰り返す定型の線形と
漂う不定型の旋律
身体を以てしか体感できないこの感覚を
どうぞお楽しみください