現在作られているイミゴンゴのほとんどは
水性ペイントでの色付けになっていますが
1800年代前半に作り始められたころから1990年前後までは、自然由来の顔料を使用し着色をおこなっていました
伝統色とされているものは
白・黒・赤・灰色 (黄色を含む工房もあり)
今回は「灰色」の伝統色に迫ります
向かったのはNyarubuyeにあるイミゴンゴ工房からバイクタクシーで約40分
kogoというエリアです
いくつかの丘を越えて走ると、灰色の土が一面に色がるエリアに到着しました
早速触ってみます
軽く触れただけで手のひらに灰色の粉がつくほど、細かい粒子
塊になっている石状のものを握ってみると、ほろほろと簡単に崩れます
かつて妊婦さんが栄養補給のために齧っていた土だそうで
妊娠が分かるとご家族が代わりばんこにこの土地まで歩いて拾いにきていました
(どんな栄養素が含まれいるかは未調査)
遠いところからだと徒歩1,2時間かけて、てくてくとやってきます
食べてみたところ、無味
砂を齧るあのザラつきも少なく、見事なパウダリーテクスチャでした
この灰色の顔料はルワンダ語でubukuto(ウブクト)と呼ばれています
近くにある小屋の中には、この土地の土を使って建てたものもあり
ご覧の通りしっかりと灰色
小屋の壁
伝統的なイミゴンゴの灰色は、この繊細な粉で表現されていました
現在は妊婦さんが齧ることは少なくなったようですが
外壁・内壁の塗料として活躍しています
2021年3月頭にNyarubuyeにあるイミゴンゴ工房の内装が新しくなり
壁の下部にこのkogoの土が塗料として使われています
水性ペイントへ切り替わり、イミゴンゴの塗料として使われることはほぼ無くなった自然顔料
当時使われていた土がこのような形で工房に戻ってきたことにぐっとくるのでした
イミゴンゴ工房内観
灰色顔料:ubukuto (ウブクト)
(調査:masako kato)
下半分にkogoの土を塗った工房の壁
灰色顔料が生まれる地 kogoの風