イミゴンゴが日本にたどり着くまで

イミゴンゴが日本にたどり着くまで 何回立ち会っても、やっぱり今も感嘆することの一つに「物流」があります。   ものが移動する。   ただそれだけのことですが、丘越え、谷越え、バイクに揺られ、人に揉まれて、バスに乗り、石畳を通り過ぎて、箱に入り、いくつかの陸と海を越えて、飛行機を乗り換えて、さらにいくつかの陸と海を越えて、これから一緒に暮らしていく方の言葉が聞こえるエントランスに入り、最後にトラックを乗り継いで、えんやこらとお迎えしてくださる方の元に届く。   一体何人の手を介して、何カ国語を浴びて、幾つの目に見守られ、そこまで辿り着いたのか。その旅路を考えても想像が追いつかずただただ圧倒されるばかりです。   イミゴンゴをみなさまのお手元にお届けすることをはじめてから約2年。   無事に受け取ってくださったことにもありがたい思いでいっぱいですし、無事に届いた一つ一つがとんでもなく貴重なことだったんだなぁと振り返っています。   今自分が立っている場所ではない◯◯産と書いてあるものをあまりにも身近に見られる時代になったけれど、その一つ一つの旅路は壮大です。国外はもちろん、国内も。   運んでくださる方々、受け取ってくださる方々に改めて感謝を込めて、イミゴンゴの旅路をご紹介します。

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イミゴンゴ活動 2021年のまとめ

イミゴンゴ活動 2021年のまとめ imigongo anywhereの活動を見守ってくださりありがとうございます。 代表の加藤雅子(かとうまさこ)です。 イミゴンゴの調査活動を開始してからはじめて日本に戻らなかった2021年。 行き来するには少し高めのハードルがあったり、人を一箇所に集める行為(展示会)のタイミングを読むのが難しかったりとその理由は様々ありますが、どっぷりとルワンダに腰を据えることできたのは幸いでもありました。 ルワンダ国内でも都市を跨ぐ移動が制限された期間もあり、さらにオンライン大活躍の一年。 手段が増えていくことで見えなかった世界を見せてくれた世界にも感謝申し上げます。 2021年のimigongo anywhereの活動のダイジェストをまとめました。  

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博多阪急さんに出展しております

ご縁をいただき、期間限定で博多阪急さんにイミゴンゴが並んでおります。 今回お届けするのは全て、ルワンダで最も活動歴の長い工房の作品です。ルワンダ南東部のイミゴンゴ発祥地(かつてのギサカ王国)に根を張り土地の空気を満々と湛えた一枚一枚が飾られています。 写真では見たことあるけどホンモノはまだないなぁ牛の糞で作ってるっていうけど匂いどうなの?サイズとか質感とか、どんな感じなんだろ?などなどお近くにお住まいで気になる方は是非一度見にいらしてください。

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イミゴンゴの色彩 【白】 – 自然顔料を巡る旅

現在作られているイミゴンゴのほとんどは水性ペイントでの色付けになっていますが1800年代前半に作り始められたころから1990年前後までは、自然由来の顔料を使用し着色をおこなっていました 伝統色とされているものは白・黒・赤・灰色  (黄色を含む工房もあり) 今回は「白」の伝統色に迫ります かつて白の顔料が取れていたイミゴンゴ工房近くの一角はすでにこの色を見つけることができなくなっているとのことで工房からバスとバイクで約8時間離れたところに行ってみました なんとなくのエリア(港区や三鷹市くらいざっくり)の手がかりだけがありとりあえずバスに乗り、そのエリアのメインバス停で下車 バス停に到着するとバイクタクシーの運転手さんがわーっと寄ってきます

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イミゴンゴの色彩 【灰】 – 自然顔料を巡る旅

現在作られているイミゴンゴのほとんどは水性ペイントでの色付けになっていますが1800年代前半に作り始められたころから1990年前後までは、自然由来の顔料を使用し着色をおこなっていました 伝統色とされているものは白・黒・赤・灰色  (黄色を含む工房もあり) 今回は「灰色」の伝統色に迫ります 向かったのはNyarubuyeにあるイミゴンゴ工房からバイクタクシーで約40分 kogoというエリアです いくつかの丘を越えて走ると、灰色の土が一面に色がるエリアに到着しました

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イミゴンゴの色彩 【黄】 – 自然顔料を巡る旅

現在作られているイミゴンゴのほとんどは水性ペイントでの色付けになっていますが1800年代前半に作り始められたころから1990年前後までは、自然由来の顔料を使用し着色をおこなっていました 伝統色とされているものは白・黒・赤・灰色  (黄色を含む工房もあり) 今回は「黄色」の伝統色に迫ります 向かったのはNyarubuyeにあるイミゴンゴ工房からバイクタクシーで約30分

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イミゴンゴを弾く

2020年12月20日に千葉県八千代市で開催された「やちよのキャンドル」ナイトにてイミゴンゴ を弾くという初の試みが行われました   やちよのキャンドルナイトhttps://wacca-with.org/2020/10/candle2020/   2013年から行われているこのイベント主催はNPO法人わっかさん手作りの紙袋にはいったキャンドルが一面に広がる会場でした ゆらゆらと光の花がゆらめく中で音楽家のJun Iijimaさんが行ったピアノ演奏は譜面台にイミゴンゴを置いたものご本人はどんな柄が置かれるかを知らないまま当日を迎えました 演奏開始数秒前にスッと目の前に置かれたイミゴンゴ その柄からインスピレーションを受け、描いてくださった即興の演奏はこちらです https://youtu.be/hhOjFhBwbgI

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イミゴンゴの発祥地 – 王子様が暮らした場所

ルワンダの伝統アート イミゴンゴ その始まりは諸説ありますが、1800年代前半に当時存在していたギサカ王国のカキラ王子が作り始めたと言われています カキラ王子にまつわる言い伝えでは特に潔癖だったエピソードが目立ちます   ・大皿料理をみんなでシェアするのが普通だった中で、彼だけ自分専用の食器を使っていた そしてその食器を保管する専用の小屋まであった ・雨の後のぬかるんだ地面を歩きたくない、と乾くまで岩の上に立って待っていた ・朝から昼まで水浴びばかりしていた ・昼から夜まで掃除ばかりしていた そんなカキラ王子が「なぜイミゴンゴを作り始めたのか」は本人のみぞ知るですが、自分の家の室内の壁に柄を描き始めたのが最初とされています 家に人を迎えた時に、より歓待の意を表すためのしるし 現段階の調査では、魔除け的意味合いや、祈りのシンボル、呪術用として使用されていた証は見つかっていません

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イミゴンゴの色彩 【赤】 – 自然顔料を巡る旅

現在作られているイミゴンゴのほとんどは水性ペイントでの色付けになっていますが1800年代前半に作り始められたころから1990年前後までは、自然由来の顔料を使用し着色をおこなっていました 伝統色とされているものは白・黒・赤・灰色 (黄色を含む工房もあり) 今回は「赤」の伝統色に迫ります 自然顔料を使わなくなってからしばらく経過していたため現在もその顔料が取れるのか、もともと取れていた場所にまだあるのかなどを調べるところからはじめました 赤の原材料は Igitaka cy’umutukuというタイプの土 Igitakaは土umutukuは赤の意味なので、直訳すると「赤い土」 そのままです それでも赤い土ならばなんでもいい、というわけではありません

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イミゴンゴの色彩 – 自然顔料を使った伝統着色を巡る旅

1800年代の前半から作り始められたと言われているイミゴンゴ 当時は文字を持たない生活を送っていたこともありルワンダ国内でその年代の文献にはまだ辿り着けていません ルワンダを調査フィールドにしていたヨーロッパや他の書き言葉を持つ国には何かしらの資料が残っているかもしれないのですがまだ、イミゴンゴに関して詳しく書き残したものには巡り会えておらず、現在も探索中です 書籍や資料としては手元にありませんがイミゴンゴは確かにここで生き続けている 文字化された情報とは別種の情報がこのイミゴンゴ本体から伝わってくるので様々な方法で解読を試みる日々です ひたすら繰り返す聞き取り調査 何より、イミゴンゴとその作り手さんと同じ時間と空間を共有することそして共通体験を増やしていくこと “語り得ないこと”の塊に手を入れてガサゴソと探りようやく掴んだ断片をあっちこっちと繋いでみてその総体の図を浮かび上がらせてみる 「向き合う」という動作の種類が少しずつ変わってきているかもしれません

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